ひとつの国に王が一人、麒麟が一。
王は天地の理、国の礎。
王を選ぶのは天から下された獣――麒麟。
優れていても愚かでも、天意が定めた王に麒麟は逆らえない。そばにおれば嬉しくて、離れれば焦がれずにおれない。
愛と言うには切なくて、恋と呼ぶには重すぎた。
王が道を誤れば、報いは麒麟が受ける。
麒麟が死ねば、王も死ぬ。
縛られているのは麒麟なのに、王の命は麒麟が握っているのだ。
初めて王に会った麒麟は頭を下げて契約する。
つながれることが嬉しくて。
或いはほんの少し恨めしくて。
『御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと誓約します』
ともに栄華を極めることを夢見て、ともに滅びる日を待ちわびて、麒麟は誓約をする――
王は天地の理、国の礎。
王を選ぶのは天から下された獣――麒麟。
優れていても愚かでも、天意が定めた王に麒麟は逆らえない。そばにおれば嬉しくて、離れれば焦がれずにおれない。
愛と言うには切なくて、恋と呼ぶには重すぎた。
王が道を誤れば、報いは麒麟が受ける。
麒麟が死ねば、王も死ぬ。
縛られているのは麒麟なのに、王の命は麒麟が握っているのだ。
初めて王に会った麒麟は頭を下げて契約する。
つながれることが嬉しくて。
或いはほんの少し恨めしくて。
『御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと誓約します』
ともに栄華を極めることを夢見て、ともに滅びる日を待ちわびて、麒麟は誓約をする――
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