「おい、まだか?」
「確かこの辺…」
送られて来た地図を角度を変えながら確かめるものの、個性的すぎる字が邪魔して全く用をなさない。
一面の草原だ。目印になるようなものは見当たらなかった。
そもそもこの村は訪れるたびに様変わりをしている。ソルジャーの退職金と言う潤沢な資金を持ち、それを転がす手法にも事欠かない連中だ。その一人、ライから『牧場、はじめました』と言う手紙が来た。
挨拶がてら遊びに行こうぜ、とザックスと連れ立って来たはいいが肝心の厩舎や家畜は見えない。
「見切り発車なんじゃねえの?」
とザックスは、有刺鉄線のまかれた柵に肘を乗せる。
途端。
「ぎゃぁっ!」
「ザックス!?」
全身に襲いかかる青白い稲光に、ザックスはもんどり返った。
「あれ? ザックスじゃん」
魔法の気配を感じたのか、チョコボに乗ったライがぽてぽてと駆けてきた。
「………サンダーですか?」
クラウドが問うと、ライは頷いて鞍から下りた。
「この柵の下にマテリア埋めてるんだ」
ほら、とほんの少し掘れば貴重なマテリアが無造作に埋まっている。
「………」
盗まれると言う発想はないらしい。ウータイ娘が知れば、犬のように掘り続けるに違いなかった。
「とりあえず、モンスターが一撃で死ぬ程度のサンダー仕掛けてる」
「先に牛が死にます…」
「俺がモンスターだったら死んでるわ!」
それだけの雷撃を食らっても、叫ぶ元気がザックスにはあるらしい。少なくともモンスターより丈夫だ。
「一度死ぬと、怒りっぽくなるんじゃないか?」
そんな統計とれないだろう――もはや突っ込む気力もなく、クラウドとザックスは皆が揃っているという役場まで歩くのだった。
「ストライフじゃないか!」
「どうしたんだ?」
蒼い目を持つ、かつてのソルジャーたちは二人の訪問に驚き、そして――身構える。
「お礼参りか?」
「………違います」
リクをいただいたのでw
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