07.23 天使さま。

　うちの母は天使とブドウとバラのモチーフが好きです。

　ので、我が家には天使が何匹（匹？）もいらっしゃる。油断するとトイレに茶筒に天使の絵が貼られ、玄関にぶら下がり、窓に張り付き、庭にリビングに鎮座してハレルヤ。かき集めれば、フラン/ダースの狗のラストシーンが素でできるかもしれん。お迎えはばっちりだ。
　さて、庭にいらっしゃるエンジェル様。
　高さは大体20センチくらい。腰を下ろし、ちょっと横を見て手を差し伸べている。その天使の、体を支えている腕が、まず折れた。

　その折れた手を、差し伸べている掌に乗せるのは如何なものか。

　そうしていると、差し伸べている手が折れた。まるでミ/ロのビーナスだ。よく見たら片足ももげている。


　そして今日――

　首もげた。


　ヤバイ！　これ絶対呪われるよ！
　ハレルヤどころじゃない、地獄の最下層にまっしぐらだ！
　
　そんな天使に見送られ、帰宅早々母に言おうとしたら。


　天使の首繋がってた………そこまでして天使を飾る意味が分かんねえよ。