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「………」

 ボードを眺めていたヒューは大きくため息をつくと、得物を握った。
(結局自分の手でやらなきゃいけないのか…)
「ノアー、ちょっと出てくるねー! 晩御飯には帰るから!!」
 今夜のおかずはナスの味噌煮。
 お邪魔虫の英雄退治に出かけるヒューの背中を見、ソルジャーたちが囁きあう。


「ストライフよりヒューぶつけたほうが早かったんじゃね?」
「いや、あいつはいざとなったらノヴァ連れて星を見捨てるからダメだ!」
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「………」

 ボードを見、ヒュー・オブライエンは表情を険しくした。
 一位のノアルヴァイスと四位の彼との間には邪魔なのが二人いる。
 彼はおもむろに携帯を取り出すと、英雄を呼び出した。
「セフィロス、知ってる? 極東には青い猫がいて、その腹には何でも入るポケットがついてるんだって。…取説、全部入るんじゃない?」
 飛空挺で飛び出す英雄を見、『よし』とヒューは拳を握る。
「ライはストーカー君に情報流そうかな。あ、でも手っ取り早い方法があるか。――ドレイク。きれいなおねーちゃんのいる店にシィン同伴しなよ」
 行け、と顎をしゃくる彼にドレイクは。

「お前…自分の手も汚さないよな…」
 できることなら彼の腹の中こそ漂白したい、とドレイクはキッ○ンハイターを握るのだった…。
 ヴァーチャルエネミーシュミレーション。
 
 つまりはこんな敵が現れたらどうするか、と言うテストだ。咄嗟の判断力とソルジャーとしての適性が問われるその試験で、敵が想定された瞬間ソルジャーたちは硬直した。
 悲鳴を飲み込む者、勘弁してくださいと土下座する者、脱兎のごとく逃げ出す者もいた。
「無理! 絶対無理!」
「アレと戦うくらいならタッチミーと腕相撲したほうがマシだ!」

 敵は――


 バグったノアルヴァイス。
 エントリーナンバー4。
 ザックス・フェア。
『オレの立場は!?』
 てか、現在ノーカウントだし(笑)。

 エントリー・ナンバー5、クラウド・ストライフ。
『そもそも張り合うのが間違ってる。――え…自称も?』
 第一エントリーは英雄様です。
 何故だかうちのちょっと足りない英雄様は人気がある(不憫なのに)



 ので第二エントリー、シィン・ゲイル。
『誰が最強かって? そりゃ、セフィロス除いたらオレだろオレ。コピーナンバー3だぜ? あいつの戦闘データも引き継いでるし、ファイアだけなら互角だし、魔力も…』
『あっ! アソコがカズノコの女がいる!』
『どこだ、オレのカズノコ天井!』
 ライの声に、目の色変えて探し回るシィンにピコピコハンマーが飛ぶ。けろ、と鳴く声が物寂しい。
『どこの世界にアソコが見える女がいるか!』

 第三エントリー、ライ・ラウル・ヴェイ・ヴィンディ。
『そもそもシィンの魔法が安定してるのはオレのおかげだろ! オレのMPなめんな!』
『でも最後の一滴は残しておかないと』
 割って入ったのはザイオンだ。
『全部使うと増殖できないんだぞ、お前のMP』
『オレのMPはアメーバかよ…』
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